准看護師の学校が減少している。そんなニュースをよく聞くようになりました。
残念ながら実際に准看護師の学校数は減少しています。
最初に結論を言っておきますが、准看護師の学校は無くなりません!まだ。
2025年時点で172校が残っており、准看護師を目指すことは可能です。ただし、地域によってはすでに准看護学校がなくなっている県もあり、「そのうち調べよう」と後回しにしていると選択肢を失う可能性があります。だからこそ、これから目指す人ほど、いまの状況を正確に知っておく必要があります。
この記事は、准看護学校を検討している人に向けて、いま全国でどれくらい学校が残っているのか、どんな人が入学しているのか、卒業後にどんな進路があるのかを「厚生労働省」や「日本看護協会」のデータを元に徹底解説しています。
20年で295校から172校に
まず数字を確認してみましょう。
2005年には全国に295校あった准看護師の学校が、2025年4月には172校になっています。入学者数は13,325人から3,603人。20年で約70%減です。
准看護師の学校数と入学者数の推移
出典:厚生労働省「看護師等学校養成所入学状況及び卒業生就業状況調査」各年度版
2025年
3,603人
▼ 約70%減
172校
准看護師の学校数と入学者数の推移(2005年〜2025年)
| 年度 | 入学者数 | 学校数 |
| 2005年 | 13,325人 | 295校 |
| 2010年 | 11,293人 | 250校 |
| 2015年 | 10,199人 | 234校 |
| 2016年 | 9,669人 | 228校 |
| 2017年 | 9,143人 | 224校 |
| 2018年 | 8,517人 | 220校 |
| 2019年 | 7,658人 | 217校 |
| 2020年 | 7,073人 | 214校 |
| 2021年 | 6,827人 | 206校 |
| 2022年 | 6,021人 | 196校 |
| 2023年 | 5,085人 | 189校 |
| 2024年 | 4,207人 | 182校 |
| 2025年 | 3,603人 | 172校 |
※ 衛生看護科を含む数値です。
グラフを見ると右肩下がりが続いていて、心配になりますよね。でも見方を変えれば、2025年の今この瞬間も172校が門を開いていて、3,600人以上が「准看護師になろう」と決めて入学しています。
なぜ減っているのか。理由は1つではありません。
看護教育の全体が変わってきています。かつては准看護師→看護師という2段階のルートが主流でしたが、今は最初から3年制の看護専門学校や4年制の看護大学で看護師を目指すのが一般的になりました。日本看護協会も「准看護師の学校は看護師の学校に転換すべき」という方針を出しています。それに加えて、入学希望者の減少で定員割れが続き、経営が成り立たなくなった学校が募集を停止するケースも重なっています。
一方で、日本医師会は「地域医療を守るために准看護師の養成は必要」という立場を明確にしています。看護協会と医師会で意見が割れたまま何十年も経っていて、すぐに決着がつく話ではなさそうです。
准看護学校がゼロの県は10。あなたの県は?
ここが一番大事なところかもしれません。
2025年4月時点で、県内の准看護学校が1校も残っていない県が10あります。
福井県(2008年〜)、沖縄県(2013年〜)、秋田県(2018年〜)、新潟県・岡山県(2021年〜)、山形県(2022年〜)。ここまでは以前からゼロでしたが、2025年度に一気に4県が加わりました。岩手県、和歌山県、鳥取県、高知県です。
たった1年で4県。このスピード感は覚えておきましょう。
逆に、埼玉県には18校、福岡県には15校あります。住んでいる場所によって、選択肢がまるで違います。准看護師は都道府県知事が認可する資格なので、養成をどうするかは県ごとの判断です。「隣の県にはたくさんあるのに自分の県にはゼロ」ということが普通に起きています。
自分の県の状況は、都道府県の医師会のサイトや学校の公式ホームページで確認できます。もし県内にない場合、隣県への通学も選択肢に入れることになります。
逆に、准看護学校がまだ複数残っている県に住んでいるなら、今は学費や通学時間、夜間部の有無、奨学金制度などを比較して選べる状態です。この状態がいつまで続くかはわからないので、検討中の方は早めに資料を取り寄せておいた方がいいでしょう。
入学者の半数以上は社会人
2024年度の入学者4,207人の学歴別内訳は、高校卒が約67%で最多です。ただし日本医師会の調査によると、そのうち高校を出てすぐ入った人は約3割。残りは高校を出た後にいったん社会で働いてから入学した人たちです。大学や短大を卒業してから入る人も約14%います。
つまり、入学者の半数以上は「学び直し」組です。
准看護師の学校は働きながら学べる学校もあるので、社会人が目指すことも可能です。
男子学生は全体の約2割(855人)。看護師養成所の男子比率が約1割なので、准看護学校の方が男性は多めです。
年齢も背景もバラバラな人たちが同じ教室にいる。それが准看護学校です。「自分の年齢で大丈夫だろうか」と気になるなら、見学会やオープンキャンパスに行って、実際の教室の雰囲気を自分の目で見てみるのが一番確実です。
卒業後の進路。6割が就業、3割が進学
学校に入って2年間学んだ後、どうなるのか。ここも入学前に知っておきたいところです。
准看護学校 卒業者の進路内訳
出典:厚生労働省「看護師等学校養成所入学状況及び卒業生就業状況調査」(2025年度)
准看護学校 卒業者の進路内訳(2025年度・卒業者数4,304人)
| 進路 | 割合 | 人数(概算) |
| 准看護師として就業 | 62.3% | 2,681人 |
| 進学 | 29.5% | 1,270人 |
| 准看護師以外で就業 | 1.3% | 56人 |
| その他 | 6.8% | 293人 |
※ 就業者には働きながら進学している者も含みます。
2025年度の卒業データを見ると、卒業者4,304人の進路はこうなっています。
- 准看護師として就業:62.3%
- 進学(看護師資格を目指す):29.5%
- 准看護師以外で就業:1.3%
- その他:6.8%
6割が准看護師として働き始め、3割は看護師資格の取得を目指して進学。進学先は看護師養成所の2年課程が中心で、通信制で働きながら学ぶルートもあります。
ここがポイントですが、准看護師の資格はゴールにもなるし、次のステップへの入口にもなります。「いずれは看護師を目指したいけど、まずは医療の世界に入りたい」という人にとって、准看護師はちょうどいい出発点です。
准看護師の就職について
「准看護師の資格を取れば仕事はすぐ見つかるの?」
これは准看護師の学校へ入学を考えている人なら当然気になるところです。
2024年度のナースセンター登録データによると、病院の求人で看護師は約68,000件。准看護師は約4,000件です。診療所でも看護師が約17,000件に対し、准看護師は約1,400件。求人数には大きな差があります。
さらに気になるデータがあります。准看護師を募集している病院に「なぜ准看護師を募集しているか」を聞いた調査(日本看護協会、2022年)では、最多の回答が「看護師が不足している」で84.2%。「准看護師が必要である」は15.1%でした。
つまり、多くの病院は「本当は看護師を採りたいけど足りないから准看護師も募集している」というのが実情です。
- 卒業者の6割以上が実際に准看護師として就業している
- 特に診療所や介護施設では准看護師の求人が出ている
- 看護師と比べると給与や昇進に、差がある
- 将来的に選択肢を広げたいなら、准看護師として働きながら看護師資格を取得するルートがある
准看護師をゴールにするか、ステップにするか。どちらの道もあるということは覚えておきましょう。
通える学校がまだあるか調べてみよう
自分が通える範囲に准看護学校があるかどうかを調べてみましょう。
都道府県の医師会のサイトや、学校の公式ホームページで、いま募集をしているかどうかが確認できます。すでに10県は准看護学校がゼロです。残っている県でも、数年後の閉校や募集停止をすでに発表している学校もあります。
准看護学校は、中学卒業以上で入学できます。年齢制限はありません。働きながら通える学校もあります。
気になる学校が見つかったら、まず資料を請求してみましょう。パンフレットには学費の内訳、入試日程、在校生の声など、ネットだけでは見えない情報が載っています。見学会やオープンキャンパスをやっている学校もあるので、実際に足を運んで雰囲気を確かめてみることもできます。